こんにちは。静岡市葵区呉服町の矯正歯科、ブライフ矯正歯科・院長の平塚です。
矯正治療を行うにあたり、親知らずを抜歯するのか、しないのか、という検討が必要になることがあります。
親知らずは、前から数えて8番目の歯で、歯の中でも最後に生えてくる歯です(20歳ころ)。智歯とも言います。
日本人は顎のサイズが小さく、親知らずがそもそも生えてこない、傾いてしまっている、一部分だけ見えている、という方が多く、親知らずがしっかりと生えている方はかなり少ないです。
では矯正治療において、親知らずの抜歯が必要になるケースと、残すケースについて考えていきましょう。
親知らずの抜歯が必要になるケース
- 不正咬合の原因になる
親知らずが斜めに生えてきたり、隣の歯(第二大臼歯)の方向に生えてくるケースがあります。
この状態ですと、親知らずが手前の歯を押してしまい、不正咬合の原因になってしまいます。
2. スペース確保する
叢生(そうせい、ガタガタのこと)や、上顎前突(出っ歯)の治療において、歯を並べるスペースを確保するために小臼歯の抜歯が必要になる場合があります。
一方で、叢生や上顎前突が軽度の場合は、小臼歯を抜歯せずに、奥歯を後方へ移動させることでスペースを確保できる場合があります。これを遠心移動と呼びます。
奥歯を遠心移動させてい際に、親知らずがある場合は、その親知らずが邪魔になってしまうため、抜歯が必要となります。
3. 上下の噛み合わせに問題が出ている
上下の親知らずがまっすぐ正常に生えていないことで、噛み合わせに問題が生じているケースがあります。
これは場合によっては顎関節症につながることも考えられるので、抜歯したほうが良い場合があります。
4. 親知らずに何らかの症状が出ている
こちらの項目は、矯正するしないに関わらず親知らずの抜歯が必要となる場合です。
親知らずが正常に生えていない場合、様々な症状が出る可能性があります。
まず、虫歯のリスクが非常に高く、治療が困難な位置に生えているため、親知らずが虫歯になってしまった場合は基本的には抜歯になります。
また、一部分が見えている状態の親知らずは、上に歯ぐきが乗っかっている状態なので、そこに細菌が入り込み繁殖すると急激に腫れと痛みが出てしまうことがあります。こういったん場合も基本的に抜歯になります。
親知らずの抜歯を必要としないケース
- 正常に生えている
これは説明するまでもないかもしれませんが、正常に噛み合うように生えてきていれば、わざわざ抜歯する必要はありません。
2. 第二大臼歯に問題がある
親知らずの手前側の歯である第二大臼歯が、重度の虫歯などの場合、第二大臼歯を抜歯して、そのスペースに親知らずを持ってくるというケースがあります。
また矯正治療において、他の歯を動かすための固定源(アンカー)として親知らずを使用することもあります。
まとめ
抜歯、非抜歯に関しては、親知らずに限らず非常に難しい問題です。
患者さん一人ひとりの噛み合わせの状態も違い、もちろん親知らずの状態も違うため、一概に抜歯非抜歯を述べることはできません。
そのため、やはり最終的にはしっかりと検査、診断したうえで判断していくしか方法はありません。
親知らずを抜歯する際は、特に下顎は術後の痛みや腫れがあることが多いので、なるべく抜かない方針でご提案するようにしています。
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。